麻酔のお話

投稿日:2022年1月21日

カテゴリ:スタッフブログ

歯科医師の須藤です。

今日は歯科麻酔のお話をしたいと思います。
我々の1日の歯科治療の中で最も頻度の多い行為であり、
皆様が最も嫌いな医療行為の一つではないでしょうか。

そこで、我々の麻酔における徐痛の工夫を知って頂き、
少しでも怖さを軽減していただけるよう、当院の麻酔の流れを
ご紹介したいと思います。

まず、麻酔と言っても歯科の麻酔は局所麻酔と呼び、
その名の通り局所のみ一定時間痛覚を麻痺させます。

⓵表面麻酔
粘膜に針を刺す行為は当然痛いので、針を刺す粘膜部位を麻痺させ、
痛みを軽減する麻酔です。
歯科ではゼリー状の薬剤を粘膜に塗布するのが一般的ですが、
唾液に混じり効果が薄れたり、苦味を感じる事がある為、当院では
医科でも使用されるペンレスという無味無臭のテープ状の麻酔薬を
使用しています。セロハンテープのような薄い透明フイルムを
2分程針を刺す部位に貼り付けると針刺の痛みを殆ど感じることなく
処置ができます。

⓶浸潤麻酔
虫歯や抜歯など、実際歯を削ったり抜いたりする時に歯肉に行う麻酔です。
針を刺す前に、表面麻酔で痛みを軽減し、更に極細の針にする事で
痛みを更に減らす事ができます。当院では33 G (約0.2ミリ)の
細い針を使用しています。
浸潤麻酔に使う麻酔液は 一般的に麻酔効果を高めるため血管収縮薬として
エピネフリンという物質が添加されています。副作用として血圧上昇や
動悸といった症状が現れます。人によって麻酔をしてドキドキして、
それ以来恐怖を感じてしまう方もおられます。そのような方には、
エピネフリンが添加されていない麻酔薬を使用する事により
精神的負担を少なくすることもできます。

⓷伝達麻酔
先程の浸潤麻酔は歯肉の粘膜に麻酔を打ち、それが骨に浸潤し、
更に歯の内部の神経を麻痺させるのですが、一般的に下の奥歯は骨が硬く、
密なので、麻酔薬が歯の内部にまで充分到達しなかったり、
既に痛みが強い場合は麻酔が効かない事があります。
そういう場合に下顎に存在する下歯槽菅という太い神経を麻痺させる
下顎孔伝達麻酔を行うこともあります。麻酔の奏功範囲、
時間が長くなりますが、強い痛みや、長時間かかる抜歯などでは
とても有効な手段となります。

ついつい遠のいてしまう歯科治療だと思いすが、その時の状況に応じて適切に
対応する事で、痛みや恐怖を最小限に抑えて処置を受けていただく事は
可能になります。
是非健診からでも受診してみて下さい。

戸田公園 予防歯科を中心に、審美、入れ歯、インプラントの先進医療まで
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