小児の前歯の歯並びについて
投稿日:2019年3月8日
カテゴリ:スタッフブログ
こんにちは。矯正担当の中西です。
元号改正や10連休など、話題の多い新年度がいよいよ始まりますね。
子供達にとっては、目の前の進級や進学による環境の変化の方が
一大事なことでしょう。
最近は小学校低学年のお子さんの矯正相談がとても増えており、歯並びへの
関心がますます高まっているように感じます。
小児矯正は症状によってスタート時期に差があります。相談で確認させて
いただくと、半数近いお子さんが、しばらく経過観察となります。
特に、親御さんが気にされて来院することが多いのが、
「上の前歯の間に隙間がある」「下の前歯が重なっている」という症状です。
まず、上の前歯の隙間。これは成長過程で現れるもので、隙間が2mm以下
であれば、ほとんどが両隣の歯や、犬歯が生えてくるときに自然に
閉鎖されます。
空隙が2mm以上や、歯がねじれて生えてきているといった場合は
小児矯正の適応となることがあります。
次に、下の前歯の重なり。これは単純ですが、乳歯と永久歯のサイズの違い、
そして永久歯の生え方により起こります。
永久歯と乳歯の前歯の大きさは2~3mmほどの差があります。乳歯列の時に
成長空隙とよばれる隙間があることで、歯の大きさの差を補っています。
通常、上の前歯4本は、乳歯分のスペースと成長空隙を使いきり生えてきます。
しかし、下の前歯4本は乳歯分のスペースと成長空隙があっても、
平均1.6mmスペースが足りないことが多いのです。
また、永久歯の前歯は乳歯の裏側に存在し、エスカレーターのように
斜め上に上昇しながら生えてきます。その結果、中心から数えて2番目にある
下顎の前歯はスペースが足りず、後方に位置することが多くなります。
そのため、9歳くらいまでは、一過性の叢生(ガタガタとした歯並び)を
経験することになります。
つまり、軽度の前歯のガタガタは正常範囲内であることが多いのです。
その後、生えた直後は直立していた前歯が傾斜をしたり、両側の犬歯が生える
際に幅が増加することで自然に改善されることがあります。
しかし、遺伝的に顎が小さい、乳歯が早く脱落した等の原因により、
完全に2枚歯のように重なっている、顔の真ん中に対し歯の中心がずれている
といった際には、小児矯正の適応となることがあります。
お子さんの歯の生え変わりは、成長を感じるうれしい出来事です。
ぜひ永久歯の生え方を見守り、気になることがあるときは歯科医院で
ご相談ください。
戸田公園 予防歯科を中心に、審美、入れ歯、インプラントの先進医療まで
丁寧なカウンセリングを大切にする街の歯医者さん「須藤歯科医院」
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